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生産することが目的化していないか?

生産が自分の都合で物を作るような状況では、まだ必要ではない時期に製品が完成してしまうこともあるので、当然、在庫は増大してしまう。営業が工場のリードタイムに不信感を抱いていて、必要な時期よりも納期にサバを読んで、早めの納期で製造指示をするようなことになれば、これも在庫が増大する原因になる。
 
また工場でも、部品の欠品が恒常的に発生している場合、部品納期にサバを読んで、早めの部品納期で部材発注をするようなことがあるとこれも、部品在庫が増大する。
 
このように、生販が統合化されていないと、すぐに在庫の増大に結びつく。ここでいう生販の統合というのは、データベースが統合されれば良いというものではなくて、営業と生産の業務が連携しなければならない。
 
生産に携わる人は、ややもすると生産する自体が目的になりがちだが、企業はお客様に商品を販売して収益を上げることが目的なので、生産することが目的なのではなく、生産は販売のための手段である。
 
こんな当たり前のことを忘れるから、国内の空洞化を嘆くようなことになるのではないだろうか?製造業の国内工場が、企業内での生産の独占的な地位に安住して、競争というのが常にあることを忘れているのではないだろうか?
 
製造業の工場の競争相手は、ライバル企業の工場もあれば、中国や東南アジアの工場、さらにはEMS企業も競争相手と考えなければならない。
 
生産の目的が販売である以上は、販売のために生産がどのような寄与が出来るか考えて実現するのが、インテリジェント工場と言うものではないだろうか?
 
市場の情報を営業から聞くだけでなく、なるべく多くのチャネルで情報を取る努力をすべきだ。そして自分の都合で生産をするのではなく、お客様の都合に合わせて物を作るように考えれば、自然に生販の統合が実現でき、在庫の削減が図れる。現場レベルでは「後工程はお客様」であって、自工程の都合ではなくお客様の都合で物を作る、という考え方がある。
 
現場よりも上位の計画レベルでも同じように考えて、お客様の都合に合わせた生産計画を立案することが重要になる。